今回はミックスボイスを習得すのにあたり、必要最低限の声帯の知識を学んでいただきたいと思います。
声帯は声の元を生み出す組織。
いわば、歌声の生命線となるのですが、人間の顔や体、声が人それぞれ違うように、声帯の状態も人それぞれ違います。
そして、声帯や声帯周辺の筋肉の状態で、「高い声が出ない理由」、「高音発声のボイストレーニング」も人それぞれ変わってくるのです。
そして、今現在思うように高い声が出せない人は今から紹介する声帯の動きにどこかしらの不具合があるせいで高い声が出ないのです。
反対に言うと、しっかりボイストレーニングを行い、正しく声帯が動くようになれば高い声が思い通りにでるようになるんです♪
効率よくボイストレーニングを行う為にも声帯に関する必要最低限の知識が必要なので説明させていただきたいと思います!!
高音発声における声帯の動き
歌声を作る時に声帯の主な重要なポイントは
- 声帯の閉鎖活動
- 声帯の伸縮活動
- 声帯の振動量
になります。
それらのどこかに問題がある人は、
『柔らかくも力強くも自由自在に負担なく低い音でも高い音でも歌う事ができない』という事になります。
一つずつ説明していきましょう。
声帯の閉鎖活動
まずは、声帯の閉鎖活動から説明しましょう。
下の図をご覧下さい。
図1
こちらが声帯を上から見た時のイメージ図です。
図のように呼吸をしている時は開いていた声帯が、声を出す時は閉鎖します。
そして、
肺から送られてくる空気に振動して声が作られるのです。
ここで閉鎖活動についてもう少し説明をします。
この声帯の閉鎖には
- 開き気味
- 閉まりすぎ
- ちょうどいい
の3つの状態があります。
順に説明していきましょう。
「開き気味」は言葉の通りです。
声帯の閉鎖が十分になされておらず、少し開いている状態です。
この状態になると、息が声にしっかり変換できず、吐息まじりの声になります。
声帯の閉鎖がしっかりできていない状態では、声帯が機能不全を起こしますし、大きな声を出す事もできません。
また、声帯が機能不全を起こすのでボイストレーニングの効果が少なくなってしまいます。
「閉まりすぎ」も文字通りです。
声帯の閉鎖が強すぎる状態の事を指します。
この状態になると、必要以上に声帯が触れ合うので、声を出している時に喉にイガイガ感を感じます。
そして、「エッジ音」と言いまして、声帯の閉鎖が起こっている時に出る「ジ~」という音が必要以上に発生し聞き心地が悪くなります。
また、必要以上に閉鎖しているので声を出せば出すほど、声帯が摩耗していき負担も大きくなるので危険な発声状態です。
そして、「開きすぎ」の時と同じく声帯が機能不全を起こすのでこれもボイストレーニングの効果が少なくなってしまいます。
次は、開き気味でもない、閉まりすぎてもいない、適度な閉鎖状態での発声が「ちょうどいい」となります。
この状態がベストです!
ちょうどいい閉鎖加減を、まずは目指しましょう♪
(声帯の閉鎖活動が理解しやすい動画を見つけました!)
(画像とは前後が逆になっています)
息っぽい声の場合と、普通に声を出している時では声帯の密着具合に違いがあるのが見れます!
- 声帯の閉鎖は開き気味でも閉まりすぎてもダメ、まずは適度を目指してください!
声帯の伸縮活動
次は声帯の伸縮活動について説明しましょう。
下の図をご覧下さい。
図2
声帯は図2のように高い声を出す時は伸び、低い声を出す時は縮まります。
これを声帯の伸縮活動と呼びます。
声帯は
- 高い声を出す時に伸び
- 低い声を出す時に縮む
という動きをします。
声帯の伸縮活動の動画がりましたのでご覧ください!
声が高くなると声帯が伸びているのが分かりますね♪
この伸縮活動にどこかしらの問題があると上手く高い声が出せません。
例えば、
- 高い声を出そうとして声帯が伸びようとするのに、無駄な力が入ってうまく声帯が伸びる事ができず高い声が出ない
- 声帯を伸ばす筋力が足りないなので、最高音が伸びない
などです。
これらの問題を解決して、声帯の伸縮活動をスムーズにすると高い声が出やすくなります!
声帯の振動量
声帯は大雑把に説明すると声帯は粘膜層と筋肉層に分けられます。
この筋肉部分がどれだけ力が入っているか、働いているかによって、声の強さが決まります。
- 筋肉が強く働いている→強い声
- 筋肉が脱力している→裏声などの弱い声
という具合です。
そして、その筋肉部分がどれだけ働くかによって声の強さが変わっていきます!
- 地声⇒筋肉部分もふくめて声帯全体が振動している
- 裏声⇒粘膜部分しか振動していない
- ミックスボイス⇒「地声」と「裏声」の中間ぐらい振動している
※ミックスボイスの詳しい説明はまた別でしますね♪
という感じです。
※声帯の振動量に関する動画がありましたのでご覧ください!
このような声帯の振動量を音の高さや声の強さによって滑らかに切り替えられるかどうかでも、『柔らかくも力強くも自由自在に負担なく低い音でも高い音でも歌う事ができるかどうか?』が決まります。
以上がボイストレーニングをする上で最低限知っておいて欲しい声帯の知識になります!
具体的なトレーニング内容は次回以降でお伝えしますね♪