あなたのの声質を変化させる倍音に関して【共鳴腔編】

あなたは自分の声質に満足していますか?

 

現状で満足されている方はいいとして、ボイストレーニングに興味のある大半の方は現状の自分の声質に満足されていないのではないでしょうか?

 

普段自分が感じている声と、実際に他人が聞いている声は違うので、特に自分の声を聞きなれていない方が録音して自分の声を聞いてみると

  • 「思ってた以上に甲高くて子供っぽい声で嫌だな~」
  • 「思ってた以上に声質が重くてびっくりした」

などと思われる方も多いと思います。

 

でも、ご安心ください!

声質はボイストレーニングを積む事によって調整する事ができます 。

 

声質を決定付ける要素も様々な要素があり、生まれ持った骨格なども影響しますので別人のように声を変える事は不可能ですが、深みや重さを足したり、逆に軽さや抜けを足して声質を調整・変化させる事も可能なのです !

 

そこで今回は、声質を変化させる重要な要素として、倍音 というポイントを中心に説明させていただければと思います。

※今回のコラムでは共鳴腔に関する知識を使いますので、より理解を深める為に

を先にお読みいただく事をお勧めしております。

そもそも倍音って何なの?

先ほど、倍音という言葉を使わせていただきましたが、ご存じない方も多いと思いますので先に倍音について簡単に説明させていただければと思います。

 

倍音とは、「一つの基音に対して、含まれる様々な音程の事 」と説明されています。

と言われましてもピンと来ないですよね。

 

倍音は言葉で説明する事がとても難しいので、分かりやすく説明されている動画を探してみました。

 

この動画は、楽器を中心に説明されていますが、歌声に関しても同じ事が言えます。

なので、まずはこちらををご覧ください。

少しはイメージできましたでしょうか?

 

これを歌で説明すると、例えば「ド」という音程を歌ったとしましょう。

 

「ド」を歌った⇒「ド」が基音になる。

※基音とは動画でも説明していましたが、音の高さを決定づける音の事です。
簡単なイメージで捉えてもらおうとすると「出そうとした音程が基音」と考えて下さい。

 

すると、その基音となる「ド」に

  • 第2倍音⇒1オクターブ上の「ド」の音
  • 第3倍音⇒さらに高い「ソ」の音
  • 第4倍音⇒さらに高い「ド」の音
  • 第5倍音⇒さらに高い「ミ」の音
  • 第6倍音⇒さらに高い「ソ」の音
  • 第7倍音⇒さらに高い「ド」の音

などなど、実際の音としては認識しにくいのですが、基音となる「ド」の音に対して、上にあげたようば音=倍音が同時になっているのです。

※この説明は上に紹介した動画の14:22から「ハモンドオルガン」という楽器を使って分かりやすく説明されています。

※今回は倍音を理解しやすいように整数倍音で説明しました。

 

楽器や他のも物音ではこのように綺麗な音の配列ではない整数倍音以外の倍音を含んでいる音も存在します。

 

倍音を可視化した図を見つけましたのでイメージしやすいように引用しておきます。


引用元:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/2/21/Harmonics-j.png

そしてこの倍音には、強い・弱いが存在し、

  • 低い音程の倍音が強く鳴っている場合は、音質が深く重い。
  • 高い倍音が強くなっている場合は音質が明るく軽い。

というように音質を決定付けています。

 

そして、歌い方によって調整する事が可能になるのです。

少し、専門的でややこしいと思いますのでまとめますと

 

歌声には倍音という物が含まれていてそれが声質を決定づける要素になります。

  • 低い倍音が強調されている時は声質が深く、重い。
  • 高い倍音が強調されている時は声質が明るく、軽い。

     

そしてそれはボイストレーニングよって調整する事が可能である

という事になります。

倍音を調整して声質を変化させよう!

さて、これまでで声には音程を決定づける基音の他に倍音という音も存在しているという事を説明しました。

 

そして、その倍音の鳴り方によって声質も変化していくという事も説明しました。

それでは、倍音を調整して声質を変化させるボイストレーニングの方法を紹介していきましょう。

 

倍音を調整する方法は大きく分けて

  • 声帯の状態によって調整する
  • 共鳴腔の使い方によって調整する

の2種類があるのですが、今回のコラムでは比較的理解しやすく実践しやすい「共鳴腔の使い方によって調整する」を中心に説明していきたいと思います。

 

みなさんは冒頭で紹介したこのコラムはもうお読みになりましたか?

これからの内容はこのコラムを読んでいただいているという前提でお話しさせていいただきます。

 

また、それぞれの共鳴腔を強化させるボイストレーニングも紹介してありますのでぜひお読み下さい!

 

上記のコラムで紹介した通り、人体で声を共鳴できる部位は3か所存在し、それぞれによって特徴があると説明しました。

 

その中でも特に倍音を調整し、声質を変化させる事に影響を及ぼすのは

  • 鼻腔
  • 咽頭腔

の2つになります。

 

鼻腔共鳴は主に高音で使うと説明しましたが、もう一つの特徴として、高い周波数の倍音を増大させる効果を持っています 。

なので、自分の声が「重いし、抜けが悪いな~」と思う時は例え同じ音の高さを歌う場合でも鼻腔共鳴を強める事によって、声に明るさや軽さが付け加えられ、抜けも良くなってきます。

 

反対に
咽頭腔共鳴は主に低音で使う説明しましたが、もう一つの特徴として、低い周波数の倍音を増大させてくれる効果を持っています 。

 

なので、自分の声が「軽いし、なんだか子供っぽいな~」と思う時は、同じ高さでも咽頭腔の共鳴を強める事によって、声に深さや重さが付け加えられるのです。

 

みなさんももうお分かりだと思いますが、共鳴腔は音の高さによって使い分ける事が基礎的な使い方ですが、音の高さに関係なく、声質を変化させる為に共鳴腔を使い分ける事も重要なのです。

 

なので、例えば

  • 高い音でも声に深みや重さを付け加えたい時は咽頭腔共鳴を強める
  • 低い音でも声に軽るさや明るさを付け加えたい時は鼻腔共鳴を強める

という使い方もできるのです。

 

ただし、咽頭腔共鳴を使いながら高音を発声する事は声帯がコントロールしにくく最初は上手くいきません。

 

また反対に低音では咽頭腔に共鳴しやすので最初は鼻腔共鳴を強める事が難しいです。

 

 

今回の内容は、ボイストレーニング初心者には理解しにく倍音に関する説明が出てきましたし、共鳴腔に関する高度な使い方も説明したの少し難しかったかもしれません。

 

しかし、このコラムで書いた内容は歌をうたう上で声質を変化させるというとても重要な事を書かせていただきました。

 

今後も、みなさんが理解しやすいよう、倍音と声質に関するコラムを追加していこうと思いますので、ご紹介させていただいた動画やこのコラムの内容を繰り返し読んでいただき理解を深めていただければと思います!